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腎臓提供に伴うリスク

腎臓の提供に伴うリスクには腎摘出手術自体に伴うリスクと、腎臓が1個となったことの長期的なリスクとがあります。

腎摘出手術に伴うリスク

腎臓の摘出手術は、腎臓の提供以外にも今日では広く行われている安全な手術です。しかし米国のデータでは、腎臓の提供手術自体に伴う死亡率は0.03%(3,333人に1人)とされており、日本においてもこれまで約2万人を超える腎臓提供手術が行われた中で、2013年に腎提供者の死亡事故が報告されています。この手術は、提供者自身に対する治療行為ではない訳ですから、その安全性を保証するために最大限の努力が払われます。

何らかの原因で腎臓が1個となった人とそうでない人との比較では、長期の生存率にはまったく差がないとされています。むしろ腎提供者の方が、そうでない人より長期の生存率が優れているというデータすらあります。これは健康であると確認された人が腎臓を提供すること、提供後も定期的に医者にかかることが影響していると考えられています。

創部の感染、出血、気胸、腹壁癜痕ヘルニアなどの合併症は数%程度とされています。これらの合併症についても今日ではもっと少ないと考えられますが、これらを防止すべく最大限の注意が払われ、また万一、合併症が発生した場合は、可能な限り早期に発見し、適切な治療を行って、大事に至らないよう最大限の努力が払われます。

長期的なリスク…腎提供後の腎機能

腎臓が1つになったことによって、提供後の腎機能は提供前のおよそ70〜75%程度となりますが、提供者はもともと高血圧や蛋白尿などをもたないことが多く、一時的に腎機能が低下してもその後の腎機能はあまり変化せずに安定します。むしろ、腎不全にいたるリスクはとても低いと考えられていて、腎提供後に腎不全になって透析療法が必要になったりすることはほとんどありません

しかし、腎臓を提供した人は、提供後に高血圧蛋白尿が認められることがあり、これらは、わずかに悪化しただけでも心臓病や慢性腎臓病へと進行する可能性があるため注意が必要です。以上のことから、手術前には、腎提供によるリスクについて十分な説明を受けることや、提供後は長期間(10年以上)にわたって定期的(少なくとも年1回)に外来受診することが大切です。

なお、移植施設としても腎提供者の健康管理を生涯に渡り、責任を持って追跡していく義務を負っております。

腎提供後の腎機能の推移

腎提供後の腎機能の推移