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移植前検査

腎臓移植希望者の評価を行うために種々の検査を行いますが、これらは提供希望者との間の組み合わせを調べる検査(組織適合性検査)と、移植手術および免疫抑制療法を安全に行えるかどうかを調べる検査とがあります。

組み合わせを調べる検査には血液型HLA検査リンパ球交差試験(クロスマッチ)、血液型不適合の場合は血液型抗体価(凝集素価)などがあります(もっと詳しく知りたい方へ)。

移植手術および免疫抑制療法を安全に行うための検査には以下の諸検査があります。

  1. 血液検査:血算、血液像、血液生化学、凝固検査、補体、免疫グロブリン
  2. 感染症関連検査HBs抗原(B型肝炎ウイルス)、HCV抗体(C型肝炎ウイルス)、HIV抗体(エイズ検査)、HTLV-1抗体(成人T細胞白血病ウイルス検査)、梅毒血清検査CMV・IgG(サイトメガロウイルス抗体)、EBV VCA・IgG、EBNA(エプスタイン・バーウイルス検査)、HSV・IgG(単純ヘルペスウイルス抗体)、VZV・IgG(水痘・帯状発疹ウイルス抗体)、麻疹IgG(はしかウイルス抗体)など

    その他、必要に応じて痰喀培養咽頭培養鼻腔培養尿培養(尿排泄がある場合)、ツベルクリン反応などを行うことがあります。

  3. 胸部X線撮影、腹部単純撮影
  4. 心電図
  5. 心臓超音波検査
    必要に応じて心筋シンチグラフィー心臓カテーテル検査
  6. 肺機能検査
  7. 腹部超音波検査、腹部CT検査
  8. 糖負荷試験(糖尿病の場合は除く)
  9. 上部消化管内視鏡
  10. 便潜血反応
    必要に応じて大腸ファイバースコピーあるいは注腸造影検査
  11. 癌検診:腫瘍マーカー(CEA、CA19-9、AFPなど)
    男性:PSA前立腺検診
    女性:婦人科検診乳癌検診乳線超音波検査マンモグラフィーなど)

    これらは、3.7.9.10.とともに癌などの悪性腫瘍がないことを確認するための検査ですが、その内容は性別、年齢によって異なります。上記の検査によって、完全に悪性腫瘍の存在を除外できる訳ではありません。頻度の高い腫瘍に対して、現時点でもっとも標準的と考えられる検査を行っておくという意味です。悪性腫瘍が疑われる場合は、さらに詳しい検査が行われていることもありますが、その内容は施設によって異なります。

  1. 尿排泄がある場合は検尿尿沈渣尿培養を行います。
  2. 膀胱造影
    膀胱容量、残尿がないかどうか、膀胱尿管逆流現象がないかどうかを調べる検査です。
  3. 必要に応じて歯科受診、眼科受診、耳鼻咽喉科受診、整形外科受診を行うこともあります。
  4. 腸骨動脈の石灰化が強い場合は、超音波ドップラー検査、MRアンギオグラフィーを行うこともあります。
  5. 年齢、既往歴、合併疾患、透析期間によっては頸動脈超音波検査、脳MRI、脳MRアンギオグラフィーなどを行うこともあります。
  6. その他、他の疾患の合併が疑われる場合は、適宜検査が追加されます。
移植前検査

上記のすべての検査がすべての患者さんに行われるわけではなく、年齢、状態などによって考慮されます。また必要に応じて上記以外の検査が追加されることもあります。献腎移植の場合は緊急手術をするため、必ずしも十分な検査が行えるわけではありません。待機中によく調べてもらっておく必要があります。