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妊娠と出産

腎臓移植を受けた多くの女性が元気な赤ちゃんを生んでいる

女性の妊娠、出産が可能になるのは腎臓移植の大きな利点の1つです。すでに多くの腎臓移植を受けた女性が元気な赤ちゃんを生んでいます。

移植腎がよい状態であれば、妊娠、出産しても、多くの場合腎機能に大きく影響することなく、赤ちゃんも元気に育っています。

腎臓に負担をかけない帝王切開が多い

腎臓移植後に免疫抑制薬(シクロスポリン)を服用している人の全国的な調査によると、123人の女性が140回の妊娠を経験し、うち80%の方が出産しています。お産の方法は腎臓に負担をかけないために満期よりやや早めに帝王切開で行われることが多いようです。しかし最近では自然分娩も増えています。いずれにせよ、無事元気な赤ちゃんを生むには産科医と移植医の密接な連携が大切といえます。

腎臓の状態のよいことが妊娠・出産の第1条件

妊娠・出産は健康な女性でも幾分かの危険を伴う大変な仕事です。ですから妊娠・出産の希望があれば、いつでも、だれでもというわけにはいきません。

まず移植後1〜2年経過して、移植腎の働きが十分よいこと(血清クレアチニン2.0mg/dl未満)、蛋白尿がないこと、高度の高血圧がないこと、糖尿病がないことなどが条件です。

ちなみに上に紹介した調査では、妊娠・出産した女性の8割近くの人はその後も腎機能のよい状態が続いていますが、12%の人ではその後再透析となっています。妊娠前の腎機能のよいことが妊娠・出産にとって大切であることが分かります。

腎臓移植を受けた男性の場合
腎臓移植を受けた男性の場合も、胎児や赤ちゃんへの影響はとくに問題ないとされています。

妊娠を希望する時は事前に医師に相談を

妊娠・出産を希望するときは、できる限り事前に担当医に相談してください。妊娠・出産に適した状態かどうかを判断するとともに、「計画妊娠」といって、妊娠へ向けての治療方法を検討する必要があるからです。

免疫抑制薬の中には、動物実験で奇形の子が生まれやすいものがあり(催奇形性)、これから妊娠したいというときや妊娠中は中止したり他の薬剤へ変更する必要があります。

母乳栄養は避ける

移植を受けた女性でも、妊婦検診は一般の妊婦と変わりません。妊娠7カ月くらいまでは月1回、予定日に近づけば月2回、週1回と受診を増やします。移植担当科と産科の2つの科を並行して受診することになりますが、もし何か異常があれば両方の担当医に相談し、その指示に従ってください。

めでたく元気な赤ちゃんが生まれた場合、母乳栄養は控えます。免疫抑制薬の多くが母乳に含まれることが分かっているからです。

腎臓移植を受けた女性の妊娠・分娩の経過
〔高橋公太:腎移植患者のフォローアップ、日本医学館、1999より〕